骨と皮と

中学校に入学したての頃は運動部で、
運動部特有の嫌がらせに飽き飽きして退部するまではそこそこ練習に参加していたんだけれど、
練習中ふとした拍子に足首をおかしな方向へ曲げてしまったため接骨院へ。

体育館の照明のような機械を使う温熱治療もおっかなびっくり見ていて面白かったんだけど、
何となく物騒な感じがしないでもない、メーターがいっぱい填まった機器で電気治療もやった。
電流にすこぶる強い体質のようなのでいくらレベルを上げても何も感じず、
お医者さんは首を傾げてたけど。

接骨院は古い言い回しだと「骨接ぎ」で、痛そうな印象を少しでも和らげるためか、
長年骨をいじくっているような医院は平仮名の看板を掲げているところが結構あります。

ほねつぎ。


子供の頃は何故か骨付きチキンに異様な憧れを抱いていて、
語感や響きだけで「ほねつぎ」を好いていた時期があった。

「何でそんなお葬式みたいな色の看板を掲げているんだろう?
もっとお客さんがいっぱい来るような色にしないと潰れちゃうのに」

こんなことを思ってた。

心なしか、白骨化したような色の看板ばかりだったような。

まあ、尖りすぎていない、何もかも優しく見せてくれる平仮名の力って偉大です。





ああ。

人間とは勝手なもので、始まりと終わりにだけ都合のいい感情を持ち出す。
永遠に終わらないような気さえしていた夏も、終わりが見えると急に惜しくなる。
わざとらしく安い言葉を選んでセンチメンタルな気分になりながら。自分がそうだ。

今夏も「うっかり“暑い”と言ったら負け」と決めて、それを果たした。
平生なら半狂乱になりながらハサミや剃刀を駆使して髪を切り落としてたけど、
特に今年はその逆を行って伸ばしたので、自分としては大分極まったんじゃないかと。

ご飯を作る時も結構工夫をした。
別に菜食主義ではないし、むしろ肉食獣のようになりたいと時々思ったりするけど、性に合わない。
お肉は消化に時間が掛かりすぎて体温も上がるので、しんどくてほとんど食べなかったな。
もう、今年からは残忍で冷酷な草食動物になろうと決心して。


決心したそばから暴走。

先日、好物の高野豆腐を2個そのまま齧って食道を詰まらせました。




天候は神様のご機嫌次第なので、このところは熱されたり冷やされたりで忙しいですが、
汗だくで迎えた立秋がすでに懐かしいくらいだし、日めくりの月日もだいぶ秋なので、
枯草色したそれっぽい語句が方々のメディアを飛び交い、泳ぎ出す。

でも、ああいう言葉ってあんまり必要ないんじゃないかと思う。
商業的に利用したいと言う理由が大前提なのを知ってるんで、どうも鼻について。




スポーツの秋に食欲の秋。
「ほねつぎ」の横に「かわはぎ」を並べるだけでおいしそうです。

とは言え、物思いに耽って活字が恋しくなる頃だから、肌寒さには直線ひしめく漢字で暑苦しく







「骨接ぎ/皮剥ぎ」







今更のホラー。

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