冷える

夢の中ではひとつの街や国に一定の間居てまた別の街に居る事が多いけど、
最近はどうもアメリカに移動したらしい。何でもでかい。

相変わらず悪夢の対義語が浮かばずもどかしいけれども、
楽しい夢は楽しかった感覚だけが残ってほとんどプッと消えてしまうので覚えてない。
まあ自分の場合大体が悪夢未満と言っていいだろう。

訳の解らない不気味さを増すものの中で意外に多いのが食べ物だと思う。
「これはイメージです」「調理例」「作りやすい分量」みたいなレベルなら何も感じないが、
色が変だったり得体の知れない調理方法であったり、常軌を逸した大きさだったりすると怖い。
例えば、大量のシチューがいかにグロいか。

初めに見た夢はちょっと昔CMに出ていた「チーズ星人」。
あれに似たお化けが街を恐怖に陥れていると言う内容だったのだが、実に地味で嫌な奴なのだ。
この世界には実に多種多様なチーズが存在しているけれども、あれを武器にされたりしたらどうか。
奴さんはいったいどこに隠し持っているのか解らない大皿を恐ろしい速さで取り出し、
てんこ盛りのチーズをぶちまけたかと思えば人の顔面目掛けて寸止めする。嫌だ。
チーズは好きだけれど、どろどろのナチョチーズ、レッドチェダー、カマンベール(無理)、ぐずぐずのウォッシュタイプ、
それらで山盛りになった大皿をマッハでぶつけられそうになるのだ。

「ちちちちちちちち!」なんて可愛いものではなくひたすらグロい。

案の定、お化けは自宅にやって来てインターホンを鳴らした。
ドアスコープをそっと覗く暇も与えられずドン引きするような量のチーズで脅かされた。

それ以外に大したオチなど無かったけれど、言葉なんか通じない、無駄に広い国で何故自分を狙うか!と
とにかく訳も無く怖かった事だけはっきりと覚えている。

訳の解らなさと嫌さで例えたらS.キングの「イット」に出て来るピエロくらい。ただし前半限定。


その後に見た夢もまた奇妙なものだった。
何かのパーティーに呼ばれていた記憶があるのだが、日本語で話せる人が居ない。
じっとしていても良かったけれど、取り敢えず小さな子供が何人か居たから、
パーティー会場の門の近くに置かれたテーブルからお菓子だけ取り分けて持って行こうとしていた。

すると、道路の向こうにあるお屋敷から黒いシルクハットを被った正装の紳士がにこにこしながらこっちに来る。
何だか全体的にしっとりフワフワした雰囲気で怪しいったら無い。
スキャットマン・ジョンとトム・ハンクスを丁寧に裏漉ししてもう一回ヘラで練り直したようなその紳士は、
ヒゲダンスでお馴染みのとても立派な口ヒゲを蓄えている。来てもいいけどにこにこするばかりで何をどうしたいのか。

英語で何か話しかけて来るけれど、英語を喋っている意外に何も解らない。
ずっと辛抱強く耳を傾けていたが、やっぱり何を伝えに来たのかはっきりせず困ってしまった。

だが不意に、裏漉し紳士が自分の顔から立派な口ヒゲをベリッと剥がしたかと思ったら、
華麗な身振りで「どうぞ!」と自分の方へ差し出したのだ。

まさかのプロピア


つけてみたら、あったかくて湿っている。


裏漉し紳士は笑顔と軽やかな足取りで去って行ったけど、どうしたらよいのか解らないし、
捨てるのもアレだから取り敢えずこの口ヒゲを別の誰かにあげようと思ってパーティーに戻った。

「言葉通じないならこのヒゲつけて突っ込まれまくってね」という計らいだったのかも知れない。


夢はここで終わった。勿論オチは無い。


普通のつまらない夢を見たいなぁ……
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